防水製品と聞くと、雨に濡れても大丈夫なレベルなのか、それとも水中に浸けておいても大丈夫なレベルなのか、はっきり分からないことも多いかと思います。しかし、そんな防水製品には『IPX7(例)』といった『防水等級』と呼ばれる表記があり、それを確認することでどのレベルで防水なのかが分かります。
防水製品にあるIP46などの表記とは?
「IP」とは「IEC(国際電気標準会議)」によって定められている防水・防塵の保護規格です。IP46など、IPに続く2ケタの数字の左側が「防塵等級(0~6)」を、右側が「防水等級(0~8)」を表していて、数字が大きくなるほど上等な製品といえます。
「IPX7」のように数字が一桁の表記は、防塵規格はなく、防水規格のみを表すときに表記されます。“X”は“防塵テストはしていませんよ~”という意味。つまりIPX7は“防水のみ7級”ということです。
そして、JISの防水規格とIECのIP規格は、ほぼ同一。そのため、「JIS IPX7」のように、「JIS・IEC混成表記」でまとめて表記されることもあります。
防水等級比較
JIS規格 | 保護の程度 | IEC規格 | JIS・IEC混成表記 | |
---|---|---|---|---|
保護等級 | 種類 | |||
8 | 水中形 | 潜水状態での使用に対して保護されている | IPX8 | JIS IPX8 |
7 | 防浸形 | 一時的(30分)に一定水深(1m)の条件に水没しても内部に浸水しない | IPX7 | JIS IPX7 |
6 | 耐水形 | 強力な噴流水に対して保護されている | IPX6 | JIS IPX6 |
5 | 防噴流形 | 噴流水に対して保護されている | IPX5 | JIS IPX5 |
4 | 防まつ形 | 水の飛まつに対して保護されている | IPX4 | JIS IPX4 |
3 | 防雨形 | 傾斜60°の範囲の散水に対して保護されている | IPX3 | JIS IPX3 |
2 | 防滴2形 | 傾斜15°の範囲で落ちてくる水滴に対して保護されている | IPX2 | JIS IPX2 |
1 | 防滴1形 | 垂直に落ちてくる水滴に対して保護されている | IPX1 | JIS IPX1 |
0 | 無保護 | 特に保護されていない | IPX0 | ー |
防滴・防水、生活防水・完全防水の境目
防水と防滴の境目はJIS2級と3級の間にあります。製品の表記が「IPX2」であれば防滴、「IPX3」であれば防水となります。
ただ、防水といっても「生活防水」と「完全防水」があります。規格的に明確化されてはいないものの、きちんと境目があります。製品の表記が「IPX3」もしくは「IPX4」なら生活防水。「IPX5」以上であれば「完全防水」の部類に入ります。
防水製品を使う前には上記の表を参考にしていただければ、うっかり防滴製品を水中に放り込むミス(?)もなくなるかと思います。